皮膚構造水虫菌について。白癬菌(水虫菌)が寄生するのは、皮膚の表皮です。皮膚の構造とターンサイクルを知れば、水虫解消も近い

水虫症状

皮膚構造と水虫菌

人間の皮膚の構造

皮下組織図解皮下組織図解人間の体をすみずみまでおおっている皮膚は、総面積が約1.6平方メートル、重さにすると約4㎏ほどです。
皮膚は、表面から「表皮」「真皮」「皮下組織」という三重構造で成り立っており、その中に、毛包、脂腺、立毛筋、汗腺などがあります。
表皮の表面は「角質層(ケラチン)」「顆粒層(かりゅうそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「基底層(きていそう)」という四重構造でできています。
これらはお互いに働きかけ合って、細菌やケガ、紫外線などの外敵から内臓を守っています。

皮膚のターンオーバー

表皮の【基底層】では、細胞分裂が絶えずくり返され、最後はアカになります。このような皮膚のサイクルを、【皮膚のターンオーバー】と呼びます。
基底層でつくられた細胞が【有棘層】までたどりつくのに約2週間、【角質層】になって体外に押し出されるまでに、約2週間かかります。このように皮膚は、ターンオーバーにより、1か月ほどで新しい皮膚に生まれ変わります。

水虫治療の基本概念

白癬菌(水虫菌)が寄生するのは、皮膚の最も外側にある表皮になります。
そのため水虫を治療するには、皮膚の再生力(ターンオーバ-)はきわめて重要な役割を果たします。
具体的には、水虫治療薬で白癬菌(水虫菌)の増殖を抑えながら、白癬菌(水虫菌)に感染した細胞が体外に押し出されるのをじっくり待つのが基本です。ただし、白癬菌(水虫菌)は皮膚のターンオーバーと同じくらいか、それ以上の速さで増殖する力がある事と、足裏の皮膚は厚いため、水虫の根治をむずかしくさせています。足裏以外であれば、約1カ月で皮膚が入れ替わるのに対し、足裏のターンオーバーサイクルは3カ月程です。白癬菌(水虫菌に感染した皮膚を完全に完治させる為にも、半年から1年は治療を続ける必要があります。

角質層の保護作用

皮膚は、吸収、排泄、知覚、保護など、体を健康に保つためにさまざまな働きをしています。
保護作用は皮膚の働きのなかでも、特に重要になります。
そして、保護作用を支えているのが【角質層】です。
角質層はケラチンと呼ばれる硬いタンパク質からできています。ケラチンは、皮膚がアカとなってはがれ落ちる前の核のない細胞群の主成分です。
このケラチン線経が、熱や寒さ、異物の侵入から私たちの内臓を守ってくれています。

水虫の栄養源となるケラチン

白癬菌(水虫菌)はケラチン【好性真菌】とも呼ばれています。
白癬菌(水虫菌)はケラチナーゼという酵素をもっており、白癬菌の栄養源はケラチンです。
そのため白癬菌は、ケラチンの豊富な角質層にすみつきます。

※白癬菌(水虫菌)は、ケラチンを栄養にして繁殖する特質があります。

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